■スパイスと健康について

もともとスパイス・ハーブは薬草として日本に伝わり、『薬』として重宝されていました。
中国の南方で発達した漢方医学では、胡椒(ペパー)、茴香(フェンネル)、姫茴香(キャラウェイ)、肉桂(シナモン)、丁子(クローブ)、肉荳(ナツメグ)、大蒜(ガーリック)、などのスパイスが日常、薬として用いられてきました。 
実は現在の日本でも、太田胃散や正露丸、養命酒、ウコン茶など、薬や栄養剤の原料としても広く使用されています。

皆さんも真夏にカレーを食べて元気になったという経験はありませんか?
カレーに使われるスパイスには、漢方で消化促進や新陳代謝を高めたり、健胃、強壮作用、血をきれいにするなどの効果のあるスパイスたちが沢山入っています。
それらが、体調を整えるとともに、汗をかいて食べることで、体温が下がり爽快感を感じますので理にかなっているわけです。
スパイスのあるキッチンは、『常備薬の宝庫』といったところでしょうか。

 
■スパイスとダイエット

女性の関心事、ダイエット。
以前、唐辛子ダイエットがもてはやされましたが、私たちの身体は辛み成分が摂取されるとアドレナリンの分泌を促進します。
アドレナリンの分泌が活発化するとまず、エネルギー減として肝臓のグリコーゲンが分解されて使われ、次に身体に蓄えられていた脂肪がエネルギー源として使われるので、脂肪が燃焼しダイエット効果がで出る。と言われています。マウスの実験では効果が出ました。
また、アドレナリンは、エネルギーの代謝だけでなく、心拍数を高めるので血流量が増加し脳や身体の活性化、運動能力の向上や持久力のアップにもつながります。
辛味成分と運動を組み合わせるとWのダイエット効果がみこまれるということですね。
だからといって、大量に辛味成分を摂取する必要はありません。唐辛子、ジンジャー、ペパーなどを料理に使う程度、毎日食べて血行をよくし、通勤、家事などの運動に少しプラスしてあげるだけで徐々に体重に変化は出ると思います。
きんぴら、麻婆豆腐、うどん、そばなど、またはティーマサラ入りのチャイをかかさず飲むなど、料理のかくし味に必ず入れると使い方次第で結構取れるものです。
ダイエットと構えて行うより、美味しく食べて健康的に体重を落とすのは、とっても良い方法です。
ダイエットにかぎらず、辛味成分は血行を良くしてくれますから、冷性、肩凝り、冷房病の改善にも役立つでしょう。

スパイス・ハーブにはそれぞれ何か薬効がありますから、身体のちょっと気になる不調に合うものをさがし、毎日工夫して使ってみて下さい。気がつかないうちに体調がよくなっていたりします。
また、生活習慣病予防に塩分、糖分をひかえたいけど美味しくない…などと思っている方も多いと思います。
そんな方は、ちょっとスパイスをプラスしてみて下さい。塩からさや甘味が変化して感じられる事があります。
この特性は、お料理の味付けに失敗した時ももちろん使えますのでうまく生かして下さい。
その他、殺菌、防虫効果があったり、美容効果のあるスパイス・ハーブもありますので、化学物質が苦手な方はお試し下さい。

 
■スパイスの以外な使い方

・美容効果
 ターメリック(洗顔剤に一つまみ+殺菌効果でニキビ予防)
 ヨーグルトとターメリックでお顔のパック
 
・虫よけ
 クローブ

・殺菌
 タイム    セージ    アジョワン ミント 

       
 ■砂糖・塩とスパイスの組合わせ

・甘味を強く感じる組み合せ
 砂糖+バニラ(お菓子作りなどに。香りも良くなる)
 砂糖+シナモン(シナモンが甘さを強く感じさせる)

・甘味を弱く感じる組み合せ
 砂糖+ペパー・ジンジャー(甘過ぎたアイスクリームやお菓子に少し振りかけて)        
    
・塩からさを強く感じる組み合せ
 食塩+ジンジャー(減塩に)

・塩からさを弱く感じる組み合せ
 食塩+ペパー(塩から過ぎたスープや塩辛いラーメンもマイルドな味に)