■カレーのお話.1

スパイスの効いた料理と言えばカレー、
カレーと言えばインドと言うくらい今は認知されていますが、もともとカレーは、インドからイギリス経由で世界に広まりました。
日本には西洋料理としてイギリスから入ってきました。
イギリスは18世紀中半インドを植民地としており、ある時、現地のイギリス人がインドの人々の食べているものを見て尋ねました。
●イギリス人 『それは、何と言う食べ物か?』
●インド人  『???(なんて言ってるか良く解らん。とりあえず美味しいと言っておこう…)カリー』
 ……という誤解でどろどろとした汁状のスパイシーな料理はカレーと呼ばれるようになったという逸話もあります。
ですから、インドには、個々の料理の名はありますが、カレーという料理の定義はありません。
イギリスでは、このシチューやスープのバリエーションのようでライスを添えたスパイシーでエキゾチックな料理は大好評でした。
しかし、インドの人々のように、その都度スパイスをブレンドして作る事はできませんので、ブレンド済みのカレー粉を、C&B社、S&Aフーズなどの会社が作り手軽に食べられるようになりました。      
        
    
■カレーのお話.2

今では、日本の国民食、おふくろの味と言われるほど定着していますが、初めて日本に紹介されたのは明治の初期、たかだか約150年前。何故こんなに支持されるようになったのでしょうか? 
日本は明治に入ると、西洋文化を取れ入れようと必死になります。
食事もイギリスの海軍を見習いますが、大きな違いは、肉を食べない事。
肉が栄養の素。肉を食べろ…。となるわけですが、もともと肉を食べる習慣がない日本人にしたら、いきなり血のしたたるステーキなど気持ち悪くて臭くて食べれません。
そこで、カレーなら肉は小間切れ、臭いもスパイスで消えているし、おまけにご飯で食べれる。というなじみやすさが受けたようです。
一般庶民に初めて紹介されたのは、明治5年、料理の本に載ったのが最初ですが、今のカレーとは随分違うものでした。
その頃より、北海道で西洋野菜の栽培が盛んになり、札幌農学校では食事の改善を目指した地道な活動が始まりました。明治9年頃には農学校の寮のメニューにカレーが出てきています。
それが、一般家庭はもちろん、学校や軍隊の食事としても肉や野菜が一緒に取れるという点が、合理的だとして受け入れられていきました。その過程で今の形に落ち着いたようです。
大きな都市でも、明治10年には西洋料理店のメニューにあったと言う記述がありますから、その前から出回っていたのではないでしょうか。
では、本格的なインドカレーはいつ入って来たかというと、インド独立運動に関わったインド人ラシュ・ビハリ・ボース氏が日本に亡命。
彼をかくまい娘婿に迎えた、新宿「中村屋」が昭和2年に、彼から教わって本格的なスパイスを使ったインドカレーを商品化したのが始まりです。
その後、多くのインドの人々が来日し、インド料理店を開店しました。その人々にスパイスを提供してきたのが、私たちインドスパイスです。
   
    
■カレーのお話.3

西洋系カレーとインド系カレーがありますが、一般に 西洋系はマイルドでコクがあり、インド系はスパイシーでパワフル。皆さん好みや気分によって食べ分けていると思います。
カレーには決まりがなく、バリエーションが作れる事。これが、カレーが広がっていった一つの要因ではないでしょうか?
家庭で作る時も色々な工夫をして我家の味がありますね。
それに加えて、例えば市販のルー+ビニワレのカレーミックスを半々で入れてみて下さい。また市販のルーの仕上げにガラム・マサラを一振り。
もっと簡単にレトルトカレーやカレー味のカップメンにカレーミックスをかけても本格的なカレー味になり、香りや味がグッーと引き締まります。
もちろんカレーミックスは、そのまま使うとインド料理屋さんのカレーが家庭で作れ、ドライカレーも香りよく簡単に作れます。
また、唐揚げやフライの下味に使ったり、ポテトチップスに振りかければビールのおつまみにピッタリ。アイデア次第でバリエーションが広がります。
そんなささいな事でも新しい味の発見ができます。さぁ我家の新しいカレー味にチャレンジしてみて下さい。